ホーム > 書籍情報 > 歴史ポケット新聞 > ポケスポ立ち読み > 【野球】日本中が祝福!!「世界の王」だ。王 世界新 756号 [昭和52年]
昭和52(1977)年9月3日 |
【東京本社】巨人の王貞治選手は9月3日、後楽園球場でのヤクルト戦でアーロン氏(元ブリュワーズ)の持つ世界記録を上回る通算本塁打756本の世界新記録を達成した。
日本中が待ち望んだ「世界の本塁打王」の誕生は3回だった。一死無走者、カウント2―3からの6球目、ヤクルト・鈴木康二朗投手のシュートを振り抜くと、打球は右翼中段へ一直線。飛距離115mの弾丸ライナーが、右翼席に飛び込んだ。スタンドでは六つのクス玉が割られ、紙吹雪が舞う。左右の手を大きく広げた王貞治選手は、ゆっくりと一塁へと走り出し、何度もヘルメットのツバに手をやり、ベースを一周。ホームで待ち受けていた盟友・長島茂雄監督とガッチリ握手した。
試合を一時中断して行われたセレモニーでは「ここまで来ることができたのは皆さんのお陰。家族とファンと仲間と……、ありがとう」と挨拶。止むことのないファンの歓声に何度も頭を下げた。