ホーム > 書籍情報 > 歴史ポケット新聞 > ポケスポ立ち読み > 【五輪】車に乗って マラソン金メダル!?[明治37年]
明治37(1904)年8月30日 |
【セントルイス臨時支局】第3回オリンピックのセントルイス大会、8月30日の陸上・マラソンで、キセル行為があったことが発覚した。当事者のフレッド・ローツ(アメリカ)は、マラソン界から追放、2位のトーマス・ヒックス(同)が優勝となった。
気温38℃の炎天下で行われたマラソンには、4カ国から31人の選手が参加。あまりの暑さに、完走者14人という厳しいレースとなった。
フレッド・ローツ(アメリカ)も猛暑に翻弄された一人。軽い日射病にかかり、15km付近で倒れてしまった。そして、通りかかった一般乗用車に救助され、競技場へ向かった。
しかし、あと8kmの辺りで車が故障。すると、ローツは突然、車を降りてレースを再開した模様。前を走る選手はおらず、なんと、そのまま1着でゴールしてしまった。ローツは何食わぬ顔で表彰台に上り、月桂冠が授与されようとしたその時、車の運転手が競技場に到着。キセル行為が発覚した。ローツはマラソン界から永久追放、金メダルは3時間28分35秒で2位のトーマス・ヒックス(アメリカ)に与えられた。しかし、ヒックスは興奮剤の力を借りて走ったとの情報もあり、釈然としないレースとなった。