ホーム > 書籍情報 > 歴史ポケット新聞 > ポケスポ立ち読み > 【五輪】恭子「一番幸せ」。中学2年生が金メダル[平成4年]
平成4(1992)年7月27日 |
【バルセロナ臨時支局】14歳の少女が、五輪の大舞台で輝いた。第25回夏季オリンピックのバルセロナ大会第3日。7月27日、水泳・競泳女子200㍍平泳ぎで岩崎恭子が五輪新記録で優勝。競泳史上最年少の世界王者となった。
今大会の日本勢初メダル、しかも金メダルは1週間前に14歳になったばかりの少女によってもたらされた。予選では日本記録を2秒13更新する2分27秒78をマーク、全体の2位で通過した。後半勝負を得意とする岩崎恭子。予選トップの世界記録保持者アニタ・ノール(アメリカ)に勝つためには、「離されると追いつけない。前半から飛ばそう」と、大一番に臨んだ。
50mのターンは、ノールに体一つの差で6位。ここからピッチを上げた。100mで3位に浮上。150mではノールに体半分差まで迫り、ラスト5mで見事に逆転。猛追してきた林莉(中国)が2位、ノールは3位だった。
優勝タイム2分26秒65は、日本新および五輪新記録。同種目の金メダルは、ベルリン大会の前畑秀子以来56年ぶりの快挙。五輪メダリストの日本最年少記録も更新した。
「今まで生きてきた中で、一番幸せです」。中学2年生が、喜びを精いっぱい表現した。