ホーム > 書籍情報 > 歴史ポケット新聞 > ポケスポ立ち読み > 【相撲】千代の富士 横綱へ[昭和56年]
昭和56年7月19日 |
【中部本社】7月場所千秋楽(19日・愛知県体育館)、大関千代の富士が1敗で並ぶ横綱北の湖との直接対決を制し、14勝1敗でV2。場所後の横綱昇進を確実とした。
優勝と綱がかかった千秋楽結びの一番。鋭く踏み込んだ千代の富士が得意の左前みつを引いて頭をつけ、両まわしが引けない北の湖が強引に出るところを相手の左腰について、右からの上手出し投げ。バランスを崩した北の湖をそのまま寄り切って、2度目の賜盃と横綱を手中に収めた。
今年1月場所(蔵前国技館)、関脇で初優勝を果たし、大関に昇進すると、わずか3場所で通過。北の湖が7年前、関脇から一気に横綱へ駆け抜けた足跡と奇しくも同じ道をたどることになった。
20歳で入幕を果たしたものの、度重なる脱臼に泣かされ幕下に落ちるなど、出世は順風満帆とはいかなかった。弱点克服のため、肩に筋肉の鎧をまとい、投げ中心の取り口から左前みつを引き、一気に走る相撲にモデルチェンジ。
劇的な変化が奏功し、賜盃を手にすると、ウルフフィーバーが全国を席巻。勢いに乗じたウルフは、ついに横綱を手にすることになった。